歯周病治療・予防
成人が歯を失う原因は歯周病
その昔日本人は食生活の変化(欧米化)により、虫歯が多発しました。しかし近年では国民の意識変化により、特にこどもたちの虫歯を減らすことに成功しています。
しかしそれでもなお歯を失う人は少なくありません。その原因は歯周病が最多であることが厚生労働省の調査(※)により知られています。
そのように歯周病で歯を失ってしまう理由には、歯周病の特徴が深く関わっています。
すなわち「痛くないうちに進行すること」、「歯周病が進行すると、虫歯のように元の状態に治すことが難しいこと」の二つが関係しています。
痛くないうちに進行するということは、進行し始めてもご自分では分からないということを意味しています。
したがって、歯科医院での定期的な検診によりリスクの発見と早期の治療を行うことが重要です。
また進行すると治すのが難しいということは、予防が最良の方法であるということを意味します。
予防のためには定期的な歯石除去ももちろん重要ですが、ご家庭でのケアが正しく行われていることも大切です。
※ https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp
(eヘルスネット>情報提供>歯・口腔の健康>歯の喪失>歯の喪失の原因)
- 健康な歯周組織(歯ぐき)
- 歯周病の状態(見た目は似ていますが、歯を支える骨が少ないことがレントゲンで分かります)
当院で行う歯周病治療・ケア
当院では歯周病の治療や予防に関しても、科学的根拠に基づいた方法を重視し行っております。
そしてそのサポートのために北海道大学大学院歯学研究科歯周・歯内療法学教室の教授として長年教育・研究・診療にあたってきた川浪雅光歯科医師が平成29年より非常勤医として診療にあたるとともに、歯周病ケアのためのスタッフ教育を行っております。
保険適用の歯周組織再生剤
歯周病のために歯のまわりの骨や組織を一度失ってしまうと再生することは容易ではありませんが、再生方法が全くなかったわけではありません。
これまでに様々な歯周組織再生の医薬品が発売されましたが、いずれも保険適用ではなく、歯周病で悩む人々に広く用いることはできませんでした。
しかし、2017年についにトラフェルミン(商品名:リグロス®)︎という歯周組織再生剤が厚生労働省による保険適用となりました。
新薬が保険適応となることは簡単ではありません。
安全であることはもちろん、治療効果が科学的に示されることなど、広い視野で見て社会的にも価値がある治療である必要があります。
当院では川浪歯科医師が臨床試験などを通じてリグロス®︎の保険適用への道のりに関わったこともあり、歯周病の治療に導入しております。